マニア気質データマーケOLのプロ野球話

今季の目標はリードが読めるようになること/横浜DeNAベイスターズ中心

初めての野球場、初めての三浦大輔、そして号泣。

プロ野球観戦が好きです!」というと、きっかけは

・好きな男の趣味

・地元に球団がある

・学生時代野球部のマネージャー

の3択前提で会話が続く。しかし私はどこにも当てはまっていない。

 

観戦のきっかけは友人が誘ってくれたことだ。彼女もその年にハマり、気が合いお酒が好きな自分ならば楽しんでくれるだろうということだった。普段ならば「えぇ…野球とかノリ怖いし…」と断ってしまうところだが、友人への信頼とたまたまそのタイミングが新しいことにチャレンジしよう!というモチベーションだったことで、ありがたく参加させてもらうことにした。

 

幸い、野球の最低限のルールは知っていた。しかし横浜DeNAベイスターズのことは全くしらない。
かつ、話をきくと「三浦大輔」という方の引退試合だという。

 

申し訳ないことに、どんな方かは存じ上げていない。しかし、引退試合とは一生に一度しかない重要な場だ。きっと長年のファンで、見たくとも現地で見れないことを嘆く人も多数いるはずだ。そんな場に「お呼ばれでいってきましたぁ~☆野球わからなかったけど、楽しかった☆☆☆」なんてテンションで望んではいけない。現地に行けずに嘆いているだろうファンの方に失礼にならないためにも、せめてその背景を勉強してからいこう。

 

当日までに、ネットで横浜DeNAベイスターズ三浦大輔氏について情報収集をした。22年間、紆余曲折ある中でも横浜一筋で所属し続けた人だということをここで知る。ここで自分の状況がふと重なった。


当時、自分は新卒で入社した会社を5年目で転職して数か月。前職に相当な思い入れがあったが、続けるという選択ができなかった。横浜のスターと自分を重ねるなんておこがましいことであるが、たった数年の在籍でここまでも心苦しかったのだから彼はどんな思いで当日に挑むのか興味深かった。

 

当日、そして試合開始。

 

三浦大輔氏の登場に球場は大きな声援で包まれた。
お酒も入っていたので記憶がやや曖昧になっているところもあるが、引退試合だからって手抜きしないことを感じさせられる試合展開。
正直この頃は、先発・中継の概念等はわからなかった。だが、調子が悪ければ途中で変えられてしまうことは知っている。ああ、今三浦氏はどんな思いなんだろう。22年の選手生活、残り数球ということを悟っているのだろうか。これ以上はやっぱり難しい、やりきったという気持ちなのだろうか…。自分の前職在籍の5倍以上の年月はどんなものなのだろうか。試合展開を見ながら、そんな思いが頭を駆け抜ける。

 

涙が流れていた。
なんで自分泣いてるんだ?!今日初めて来たよね!?と自分自身半分パニックになる。そんな中、とどめが刺された。

 

  あとひとつぶのなぁみぃだで~

  ひとことのゆうきでぇ~

 

「ピッチャー、三浦に代わりまして、加賀」

 

  ねがいがかなう~そのときがくるってぇ

  
ここで系統の加賀が登場。マウントで何やら会話をしてから、三浦氏はベンチへと向かっていった。会場を包む大きな歓声と拍手。ああ、ここで三浦氏の現役当番は最後を迎えたのだ。

 

気付けば、嗚咽しながら大号泣していた。


友人がさすがに驚いた顔をしていた。隣の席の人には「そんなに好きなんだね!見れてよかったね!」と言ってもらったが、野球の試合を初めてみたのだ。

なんでこんなに泣いたのか。これは野球の試合の流れを知らなかったならではだと思っている。今だったら逆にここまで泣いていないかもしれない。ホーム球場で選手ごとの登場曲があることを理解していなかった。音楽が流れていたのはもちろん初回から聞こえていたものの、初めての高揚感と引退試合の感動で「登場曲」という概念だと理解をしていなかった。そのため、この場面で「あとひとつ」が流れてくる想定がなく、結婚式のBGMばりの効果で感極まって大号泣してしまった。

※この場面、三浦氏の著書「踏み出せば何かが変わる」でも触れられていた。
 三浦氏も「あとひとつ」が流れると涙が止まらなくなったと知り、同じ瞬間に泣いたのか…!と感動した。

その後チームとしては負けたものの、華々しい引退式を終え一日の試合が終了した。

 

仕事以外で本気で泣いた記憶がほぼないため、この大号泣は自分の中でも衝撃だった。こんなにも心を揺り動かされる野球が気にならないわけがない。
ちょうどその後、ベイスターズのCS勝ち抜きやWBCにより「球場まで足を運ばなくても、華々しい試合を見れる」新規ファン向けにはありがたい時期が続き、気が付けば夢中になっていたのだ。